「洗う」が当たり前ではない動物たちが多い
犬や猫の話はよく見かけますが、では「犬猫以外のペット」はどうでしょう。結論から言うと、多くの動物にとって“人間に定期的に洗われる”ことは当たり前ではありません。むしろ、洗うこと自体が大きな負担になったり、体調に影響することがあるため、「洗うかどうか」は動物ごとに前提が変わります。
うさぎ: 基本は“洗わない”。例外は獣医師の指示があるとき。
うさぎはとても清潔好きで、自分で毛づくろいをします。ハウスラビット協会(House Rabbit Society)は、うさぎの全身浴は強いストレスになり得るため、一般に推奨しないとしています。イリノイ大学獣医学部(University of Illinois College of Veterinary Medicine)も、うさぎは低体温やショックのリスクがあるため入浴は勧めない一方で、必要に応じて獣医師の指示のもと「部分的な温水洗い(いわゆる“お尻だけ”)」が必要になる場合がある、と述べています。つまり、うさぎは「洗う前提」ではなく、汚れや体調の事情があるときに部分ケアを検討する、が現実的です。
モルモット: 頻繁には洗わない。汚れたときに、短く。
モルモットも、基本は定期的な入浴が必須というより「汚れたときに必要な範囲で」。MSDマニュアル獣医版(MSD Vet Manual/Merck Vet Manual)は、モルモットはよほど汚れていない限り入浴はめったに必要ない、とし、洗う場合は小動物用のシャンプーを使い、耳や目への水の侵入を避け、よくすすいで乾かすことをすすめています。ここでもポイントは「頻度」ではなく、汚れの程度と、その子の負担です。
鳥: 洗うというより“浴びる”。好みを尊重する。
鳥は「洗う」というより、水浴びや霧吹きなどで自分から“浴びる”行動が見られます。VCA動物病院(VCA Animal Hospitals)は、鳥は頻繁に入浴するほど羽や皮膚が健康に見えることがあるとし、まずは週1~2回の入浴機会を提案しています(ただし毎日浴びたがる個体もいれば、たまにしか浴びない個体もいる)。鳥はとくに「本人の好み」が大切で、無理に濡らすより、選べる形で機会を用意するほうが穏やかです。
フェレット: 入浴は控えめ。洗いすぎは逆効果になり得る。
フェレットは、匂いが気になって洗いたくなることがありますが、洗いすぎは皮膚の乾燥などにつながりやすいとされます。カリフォルニア大学デービス校獣医学部(UC Davis School of Veterinary Medicine)は、必要であれば月1回程度の入浴、としています。つまりフェレットも「こまめに洗う」より、必要なときに控えめにが基本です。ミニブタ: 基本は“必要なときに、必要なだけ”
ミニブタは皮膚が乾燥しやすい(乾燥しがち)ので、洗いすぎは乾燥を悪化させると言われます。Pet Pigs(ペットピッグス)は、シャンプーでの入浴は約6週間に1回程度を目安にし、洗いすぎを避けるよう述べています。VCA Animal Hospitals(VCA動物病院)にもミニブタのスキンケア解説があり、皮膚管理(乾燥やトラブル)を含めたケアの必要性を示しています。現実的には、汚れが目立つときは「水で流す/拭く」で十分なことも多く、「匂いが気になるから頻繁にシャンプー」は逆効果になり得ると言えそうです。爬虫類: 多くは“洗う”より「浸かる」が中心。
爬虫類は犬猫のようにシャンプーで洗うというより、状況によってぬるま湯に短時間浸ける(保湿・排泄補助・脱皮の補助など)が話題になることが多いです。PetMDは、種を問わず約10分程度の浸漬を目安とし、長すぎる浸漬は皮膚がふやけすぎる可能性があると述べています。また、Zilla(爬虫類用品メーカー)も、浅めの容器で数分浸ける/専用容器を使う(サルモネラ対策の観点)などを案内しています。ただし、ここは正直に言うと種によって前提が全然違うところです。そもそも「水浴びが前提の種」もいれば、ストレスになりやすい種もいる。だから基本は飼育環境(湿度・水入れ・温度)を整える方が先、必要があれば短時間の浸漬を検討、という順番が安全です。
出典
- House Rabbit Society(ハウスラビット協会)「Grooming Tips」
- University of Illinois College of Veterinary Medicine(イリノイ大学獣医学部)「Healthy Habits for Pet Rabbits」
- MSD Vet Manual/Merck Vet Manual(MSDマニュアル獣医版)「Routine Care of Guinea Pigs」
- VCA Animal Hospitals(VCA動物病院)「Bathing Birds」
- UC Davis School of Veterinary Medicine(カリフォルニア大学デービス校 獣医学部)「Ferret Care」